ケルプは、水温が低く岩が多い海岸に生息しているコンブ科の海藻の総称で、その栄養価の高さや機能性が注目されドッグフードやペット用サプリメント、おやつにも配合されている食材です。

ドッグフードなどに配合されているケルプは、ノルウェー沖やカナダ沖などに生息している大型海藻が原材料になっていることが多いのですが、細かい種類は違えど、日本人になじみ深い「昆布」もケルプの仲間です。

今回は、ケルプの持つ海藻パワーや犬との暮らしに役立つ活用方法について紹介します。

この記事はこんなことが気になる人におすすめ
・ケルプってどんなもの?
・ケルプや昆布を犬にあげるとどんなメリットがあるの?
・犬にケルプをあげるときの注意点は?
・ケルプや昆布は犬との暮らしのどんなシーンで活用するのがおすすめ?

目次

ケルプの栄養成分や機能性とは?

ケルプなどコンブ科の海藻は、ミネラルや食物繊維を豊富に含んでいます。

ミネラル類では、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどの主要ミネラルに加え、亜鉛やヨウ素を多く含んでいることが特徴です。

亜鉛は、犬たちの体内で、細胞の複製や炭水化物およびタンパク質の代謝、膜構造に関与している重要なミネラルです。皮膚や粘膜の健康維持をサポートする大事なミネラルでツヤツヤの健康的な被毛を維持するためにも欠かせない存在です。

また、ヨウ素は甲状腺ホルモンの合成などに必要な栄養素です。甲状腺ホルモンは、脂肪や糖分を燃焼させてエネルギーを作り出し、全身の細胞の新陳代謝を促進したり、交感神経を刺激して脈や気持ちを高ぶらせたりする働きがあると考えられています。

健康な犬のヨウ素の必要量は僅かですが、甲状腺腫などのトラブルがある場合には積極的に補うほうが良い場合があります

ケルプに含まれる食物繊維で特徴的な成分は、ネバネバ成分のフコイダンやアルギン酸です。

これらのネバネバ成分は、海藻が自らの身を傷口や乾燥から守るために持っているそうです。フコイダンやアルギン酸には、腸内の善玉菌を増やして免疫力を高めたり、ウィルスの増殖を抑える働きがあると言われています。また、胃粘膜を保護する働きや、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果も報告されています。

さらに、フコイダンにはガン細胞の増殖を抑える働きでも注目されています。癌や腫瘍に対する効果については現在も研究段階ではありますが、ネバネバ成分のもつパワーからは今後も目が離せません。

ケルプに含まれる栄養素は?

・カルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、ヨウ素などの重要ミネラルが豊富
・ネバネバ成分のフコダインやアルギン酸が免疫をサポートしたり血糖値の上昇を防いでくれる

ケルプは犬との暮らしのこんな悩みやシーンにおすすめ

ケルプの持つネバネバ成分のもつ機能性に注目すると、お腹の調子を整えたい(特に便秘気味)の子、糖尿病のケアが必要な子、免疫力をUPしたい子、などにおすすめしたい食材です。

日常生活では、昆布のだし汁を犬たちとシェアしたり、「だしがら」を犬たちにおすそわけ(?)するのもおすすめです。

昆布には、旨み成分のグルタミン酸が豊富に含まれています。犬たちもこの出汁の香りが大好き。人間用にとったお味噌汁やお鍋のお出汁を犬たちのごはんにかけてあげれば、食べむらがあって悩んでいる子の食欲スイッチをONにしたいシーンで活用できます。

シニア犬のドライフードを昆布水でふやかしてあげるのも良いアイデアです。
ネバネバ成分が胃腸を穏やかに守り、水分補給にもなって一石二鳥!

また、昆布だしをとった後の「だしがら」にもミネラルやネバネバ成分はしっかり残っています。だしがらを細かく刻んだりさらに煮込んだりして、ごはんのトッピングや手作り食の具材として活用することもできます。

ケルプ・昆布はこんな悩みやシーンにおすすめ

・シニア犬の体調をケアしたい
・血糖値をコントロールしたい
・糖尿病をケアしたい
・免疫力を高めたい
・食べむらを改善したい(出汁を活用)
・水分補給してほしい(出汁を活用)

ケルプや昆布を活用するときの注意ポイント

ケルプにはヨウ素が多く含まれます。甲状腺ホルモンのトラブルを抱えている子は、ヨウ素を摂ったほうが良い場合と、摂らないほうが良い場合がありますので、かかりつけの獣医師の先生に相談してみることをおすすめします。

ケルプには食物繊維が豊富に含まれているため、食べすぎるとかえって下痢や軟便の原因になってしまう場合があります。昆布のだしがらを活用するときには、少量から試してウンチの様子などを確認してみてください。

また、上記で「昆布だし」の活用シーンについてお伝えしましたが、犬たちとシェアできるのは無塩昆布を使用した場合です。市販の「顆粒昆布だし」や、調味料・保存料などが使用されている昆布でとった出汁は犬には与えることができませんので注意してください。

・甲状腺ホルモンのトラブルがある子は要注意
・市販の顆粒昆布だしや調味料で味付けされた昆布はNG
・食物繊維が豊富なので与え過ぎると軟便や下痢になってしまうかも

まとめ

ドッグフードや犬用のおやつなどに入っているケルプは、ミネラルバランスの調整やネバネバ成分の持つ機能性を期待して配合されていることが多い食材です。

ネバネバ成分は、胃腸ケア、免疫UP、デトックス、血糖値コントロールなど、さまざまな役割が注目されていますので、うちの子の体調に合わせて上手に取り入れられると良いと思います。

鍋の食卓 昆布だし

寒い冬にお鍋や湯豆腐をするシーン、昆布だしを人と犬でシェアできると思うと、出汁をとるひと手間も楽しい気持ちで取り組めそうですね。

ワークショップで選べるハーブの中では
・免疫ケア
・リラックス
・関節ケア
にブレンドされています。

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