白く小さなお花が印象的なカモミール。可愛らしい小花の見た目とはうらはらに、その繁殖力はとても高く、踏みつけられるほどよく育つと言われるほどの生命力を持っています。カモミールはたくさんの種類がある植物で、一般的なハーブ療法やアロマセラピーでよく使われる種類は、ジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種類です。

カモミール

今回は、痒みのケア、お腹のケア、心のサポートなどに幅広く活用できるカモミールについて紹介します。

この記事はこんなことが気になる人におすすめ
・カモミールってどんなハーブ?
・カモミールを犬にあげるとどんなメリットがあるの?
・カモミールジャーマンとカモミールローマンの違いは?
・犬にカモミールをあげるときの注意点は?
・カモミールは犬との暮らしのどんなシーンで活用するのがおすすめ?

目次

カモミールってどんなハーブ?

カモミールはヨーロッパ原産のキク科の植物で、古くからハーブティーなどで親しまれている最もポピュラーなハーブのひとつです。イギリスの童話「ピーターラビット」のお話の中で、おなかをこわしたピーターにお母さんがつくってくれたのが、カモミールティーでした。

また、クレオパトラが安眠の薬として利用していたと伝わっているなど、古代エジプトや古代ローマの時代から、痛みの鎮静薬、婦人病の薬として、その薬効が注目されていました。

伝統的に、飲用・食用のハーブとして消化不良や下痢などの消化器系トラブルのケアや鎮静・鎮痛の目的で使われてきましたが、抗アレルギー作用や抗炎症作用を持つことも分かってきたため、外用で痒みや虫刺されなどの皮膚トラブルに対しても幅広く利用されています。

和名ではカミツレと呼ばれています

カモミールは、今日では世界中の至る所で栽培されており温暖な地域では野生で繁殖しています。

カモミールってどんなハーブ?

・伝統的に使われているポピュラーなハーブ
・消化不良、食欲不振、抗炎症、抗菌、鎮静、鎮痛、抗うつ、抗不安などの薬効を持つ
・食用(飲用)にも、外用にも、アロマセラピーにも活用できる

カモミール ジャーマンとローマンの違いは?

ハーブ療法で、一般的に「カモミール」と言うときは、ジャーマン・カモミールと、ローマン・カモミールの2種類が代表的なものです。

ジャーマン=ドイツ、ローマン=イタリア、ということで原産地で呼び名が違うだけかと思いきや、二つのカモミールはキク科の中で異なる分類に属し、異なる特徴を持っています。それぞれの特徴を生かし、飲用・食用ハーブとしてはジャーマンカモミールが一般的で、アロマセラピーの精油原材料としてはローマンカモミールが一般的となっています。

それぞれの特徴とは・・・

ジャーマン・カモミール
ローマン・カモミール
  • 学名:Matricaria recutita
  • ドイツを中心としたヨーロッパ・アジア北部が原産
  • 花の黄色い部分が立体的
  • 一年草
  • リンゴと干草が混ざったような香り
  • 香りは花から
  • 乾燥しても苦味は少ない
  • ハーブティーなど、飲用・食用の利用が一般的
  • 学名:Anthemis nobilis
  • イギリスを中心としたヨーロッパ南部・西部が原産
  • 花の黄色い部分が平面的
  • 多年草
  • 甘酸っぱいリンゴのような香り
  • 香りは花・茎・葉から
  • 乾燥すると苦味が出る
  • 精油(アロマセラピー)としての利用が一般的

左:ジャーマン 右:ローマン

ハーブやアロマオイルの効能としては、どちらの種類も消化器系トラブルのケア、鎮静・リラックス目的、痒みなど皮膚トラブルのケアとして、さまざまな薬効が安全に穏やかに作用すると言われています。

ただ、ローマンの方は、飲用・食用にすると苦味があり、香りが華やかであるためにアロマオイルやハーブウォーターとして利用されるようになり、ジャーマンの方は、癖がなく飲みやすいことからハーブティや食用のドライハーブとして利用されるようになりました。

カモミールは犬との暮らしのこんな悩みやシーンにおすすめ

カモミールは、体全体のバランスや気持ちを整える効果を期待できる安全性の高いハーブですので、犬との暮らしにハーブを取り入れるのが初めてという場合にもおすすめです。

特に、ウンチが安定しにくい消化器系の不調に悩んでいる子や、不安・ストレスに敏感な子の精神的な疲労をケアしたいシーンで活用できます。

胃腸ケア+リラックスという性質を持っていることから、「環境が変わったり、苦手なことが起きたりするとお腹にきちゃう」という子に特におすすめのハーブです。

ジャーマンカモミールのドライハーブをごはんに少し混ぜてみるのはもちろんのこと、ヒト用のカモミールティーを犬と一緒に楽しむのもおすすめです。

カモミールは抗炎症作用や抗菌作用も持っていますので、口臭予防や歯周病予防など、オーラルケアの役割も期待できます。

また、カモミールは、鎮静・鎮痛作用に加え、痒みを抑える抗アレルギー作用も持っています。このことから、皮膚トラブルや痒みに悩んでいるときに、カモミールのハーブウォーターをブラッシングスプレーとして使ったり、ハーブチンキを痒みが出ている箇所の湿布として活用することができます。

カモミールローマンのハーブウォーターやアロマバームをブラッシングやマッサージに使えば、リンゴのような甘い香りが心地よく広がり、人も犬もリラックスした気持ちになります。精神面でも痒みのイライラを取り除く効果を期待できますね!

アロマ機能つきの加湿器に選ぶ精油としてもおすすめです!

カモミールはこんな悩みやシーンにおすすめ

・慢性的な消化器トラブルを改善したい(食用で利用)
・皮膚トラブルの痒みや炎症をケアしたい(ハーブウォーターやチンキで利用)
・不安やストレスに敏感な子に(ハーブティやアロマで利用)
・喘息や気管支トラブルをケアしたい
・犬と一緒にリラックスタイムを楽しみたい
・ハーブ初心者(犬)にもおすすめ

カモミールを活用するときの注意ポイント

カモミールは、キク科の植物ですので、キク科の植物にアレルギー反応を起こす子は注意が必要です。

また、妊娠中の使用を控えることを推奨する文献がいくつかありますので、妊娠期の母犬に与えることも避けておく方が安心です。

人用のカモミールティを犬と一緒にハーブティとして楽しむときは、犬にNGな他のハーブが混ざっていない信頼できる茶葉を選び、犬のお茶はぬるま湯程度まで冷ましたものを用意してあげてください。

同様に、人用のカモミールハーブウォーターを一緒に利用するときは、アルコールや人工防腐剤の配合有無を確認し、安心できるものを選ぶと良いと思います。

カモミールは鎮静効果・リラックス効果が高いため、トレーニングやアジリティなど集中したいシーンで使うと、犬によっては少しボーっとしてしまう可能性があるかもしれません。リラックスタイムや一日の終わりに活用するのがおすすめです。

まとめ

とても強い生命力を持つことから「逆境に耐える」という花言葉を持つカモミールは、可愛い見た目の中に逞しさを秘めている頼もしいハーブです。

胃腸ケア・心のサポート・痒みのケアなど日々の暮らしに役立つ様々な機能性を持っている薬草ですが、薬草らしからぬ少し甘みのあるリンゴのような香りが犬たちの好みにも合うようで、カモミールの香りや味が苦手という子にはほとんど出会いません。

そういう意味で、犬と一緒に楽しむハーブをカモミールから気楽に始めてみるのもおすすめです。

お気に入りのカモミールティーやハーブウォーターを探すのも楽しいですね!

ワークショップで選べるハーブの中で
・リラックスブレンド(ドクターハービーズ)
・胃腸ケア(ヒルトンハーブ)
にブレンドされています。

アロマで選べるオイルには、カモミールローマンの精油を用意しています。

カモミール

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