北米原産のエキナセアは、ネイティブアメリカンの間で「万能薬草」として伝統的に使われてきたハーブです。現在はドライハーブのみならず、ブレンドハーブティーや錠剤サプリメント、チンキ剤などいろいろな形状で販売されており、アメリカのハーブ市場で最も人気の高いハーブのひとつとなっています。

エキナセア
エキナセア

今回は、免疫機能をサポートしてくれることで「ゆらぎにくい身体作り」に役立つエキナセアについて紹介します。

この記事はこんなことが気になる人におすすめ
・エキナセアってどんなハーブ?
・エキナセアを犬にあげるとどんなメリットがあるの?
・犬にエキナセアをあげるときの注意点は?
・エキナセアは犬との暮らしのどんなシーンで活用するのがおすすめ?

目次

エキナセアってどんなハーブ?

エキナセアは、和名を「ムラサキバレンギク」と言います。その名の通りキク科の植物で、紫がかったピンク色の花が可愛らしいことから観賞用としても楽しまれています。

アメリカの先住民の間で「万能薬草」とされていた当時のエキナセアは、火傷や虫刺され、ヘビに噛まれた際の傷の洗浄など、主に外用で活用されていたそうです。20世紀に入るとヨーロッパでも人気のハーブとなり、風邪やインフルエンザなど感染症の予防・治療に役立つことが明らかになってきました。

エキナセアに含まれる多糖類や糖たんぱく質、フラボノイドには、免疫を活性化させる役割があるとされています。このような働きを「免疫賦活」といいます。エキナセアは、生き物が本来持っている生体防御機能をアップさせる(賦活)ことによって病気を治すというアプローチを期待できるため、免疫賦活療法に利用されています。

また、エキナセアは免疫機能を活性化するだけではなく、活性化しすぎた免疫機能を抑制してバランスを調整することで抗炎症作用を発揮することも分かってきました。免疫機能は、体内に入ってきた病原菌やウイルスから体を守るための重要な仕組みではありますが、活性化しすぎると脅威でない対象まで過剰に反応することがあります。

ヒトの花粉症はその典型的な例です

このような場合、エキナセアは免疫の活性レベルを抑え、正常値に近づける作用があると考えられています。

エキナセアは、生き物がもともと持っている「自分を守る力」のバランスを整え、炎症や感染症をケアするハーブとして活用されています。

・和名は「ムラサキバレンギク」
・免疫賦活(活性)+免疫抑制(調整)両方の働きがあるとされる
・炎症や感染症をケアするハーブとして活用されている

エキナセアは犬との暮らしのこんな悩みやシーンにおすすめ

エキナセアには、免疫機能を高めるというサポートを期待できるため「なんだかうちの子はすぐに体調を崩しちゃう」というお悩みがある子におすすめのハーブです。

たとえば、環境の変化や季節の変わり目など、ちょっとしたことで下痢をしたり食欲不振になってしまったり、皮膚に痒みが出るなどの炎症になってしまったり、というような、いわゆる「揺らぎやすい子」の体質改善をしたいシーンで活用してみると良いかもしれません。

ライフステージで考えると、1歳から2歳くらいまでの幼犬の時期は、元気な割になにかと揺らぎやすいステージです。またシニア期に入ると体調に波があるような感じがする、ということもあるかもしれません。そういったライフステージで、免疫のバランスを整えて自分で自分を守る力をサポートしてあげるのもおすすめです。

また、逆に、活性化しすぎた免疫機能を抑制して炎症を緩和する側面があることから、慢性的なアレルギー性皮膚炎のケアなどにも活用できます。

エキナセアの活用シーン

・ちょっとした変化でお腹や体調が揺らいでしまう
・うちの子は免疫力が弱いのではないかしら?と思い当たる節がある
・なんだか頻繁に菌やウイルスに感染して病院にかかっている気がする
・アレルギー体質を改善したい
・季節の変わり目の体調をケアしたい

余談ですが、丈夫な粘膜や皮膚の健康に欠かせないビタミンCや亜鉛などの栄養素もきちんと摂っておくとなおさら安心です!

エキナセアを活用するときの注意ポイント

エキナセアには、薬理活性を持つ様々な成分が含有されており、それらの多様な組み合わせによって多くの疾病や不調が改善しているという報告があります。しかし一方で、実のところ、効能の中心となる成分が何であるかは正確には明らかになっていないという側面もあります。

そのため、現状で深刻な自己免疫性のトラブル(炎症性腸疾患・IBDや免疫介在性血小板減少症など自分自身の細胞や組織を免疫機能で攻撃してしまう症状)を抱えている子や、免疫不全でお薬をもらっている子は注意が必要です。

活用したい場合は、専門家や獣医師にその子の状態をよく相談するべきですし、症状が落ち着くまでは使用を控えたほうがよいかもしれません。

その子の免疫機能がいわばパニックになっている状態で使うと、余計に混乱してしまう可能性があります。

また、エキナセアは、かつて長期間の使用で耐性ができてしまうと言われていましたが、現在は連用しても問題ないされています。とはいえ、他のハーブと同様に5日使ったら2日お休みするなど、休息期間を設けて活用してみるのがおすすめです。

そのほか、エキナセアはキク科の植物ですのでキク科のアレルギーがある子は控えましょう。

・自己免疫疾患がある子(免疫パニック状態の子)の使用は要注意
・他のお薬で免疫のコントロールをしている場合は使用しない
・休息期間を設けながら活用すると良い
・キク科アレルギーがある子には使用しない

まとめ

エキナセアは、免疫機能を活性化したり調整したりして、本来その子が持っている自己防衛力をバックアップしてくれるハーブです。

長い間、免疫賦活(活性化する)の働きが注目されていましたが、昨今では免疫賦活剤というよりも免疫調整剤として考えるべきであると示唆されているため、アレルギー症状やアトピー性皮膚炎のケアなど活用シーンの幅が広がりそうです。

もちろん、体調管理には栄養バランスの良いごはんや楽しい運動、飼い主さんの優しい声がけなどがとっても大事ですが、プラスαで「揺らがない身体づくり」を目指したいときに頼ってみるとよさそうですね。

ワークショップで使うハーブでは
・イムーネブースト(ドクターハービーズ 免疫サポート)
にブレンドされています。

エキナセア

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