ラベンダーは犬との暮らしに役立つアロマオイルの代表格で安全性が高く利用範囲がとても広い精油のひとつです。ただ、ラベンダーにも実はいろいろ種類があって、種類が違えば成分も異なります。

今回は、基本の精油・ラベンダーについてちょっと掘り下げてみます。

この記事はこんなことが気になる人におすすめ
・ラベンダーってどんなアロマオイル?
・イングリッシュラベンダーとフレンチラベンダーって違うものなの?
・犬との暮らしにラベンダーのアロマを使うときの注意点は?
・ラベンダー精油は犬との暮らしのどんなシーンで活用するのがおすすめ?

目次

ラベンダーってどんなアロマオイル?

エッセンシャルオイルの「ラベンダー精油」として流通しているものは「ラベンダー・アングスティフォリア(Lavandula angustifolia)」という種類から抽出されたものが一般的です。

ラベンダー・アングスティフォリアは、イングリッシュラベンダー・真正ラベンダー・コモンラベンダーなどとも呼ばれます。

ラベンダー精油の香りの主成分は、鎮静作用のあるエステル類とリナロールです。その香りは、甘さや華やかさの中にも落ち着きと気品、爽やかさがあり「ウッディーでフローラルな香り」や「フローラルハーブの香り」などと表現されます。

ラベンダー精油には、血圧を下げたり心拍数を落ち着かせる効果があると言われます。また、痛みや皮膚トラブルのケアにも役立ちます。特に皮膚トラブルのケアでは、抗菌、抗真菌作用があることに加え、痒みや炎症を抑える働きや皮脂の分泌バランスを整えてくれる働きがあるため、乾燥肌の子にも脂性肌の子にも幅広く活用できます。

また、精神的な側面(気持ちのサポート)では、不安や興奮のケアなど高いリラックス効果を持つことが知られています。

このように活用の範囲がとても広いことから「万能精油」と呼ばれることもあります。

・アロマオイルとして一般的なのは香りの強り「ラベンダー・アングスティフォリア」
・シソ科の植物
・甘さや華やかさの中に落ち着きと気品、爽やかさを併せ持つ香り
・活用シーンが多く安全性が高いため「万能精油」と呼ばれる

アロマオイルで、単に「ラベンダー」という商品名がついていた場合も、たいていの場合、原材料や成分の欄に「真正ラベンダー」や「ラベンダー・アングスティフォリア」と書かれているはずです。

イングリッシュラベンダーとフレンチラベンダーって違うもの?

ラベンダーにはいくつか種類があり、その中に「イングリッシュ」と「フレンチ」という区分があります。

どちらもシソ科ラベンダー属の植物ですし、イギリスにもフランスにもそれぞれ洗練されたイメージがありますが、見た目や成分が異なる種類です。

前述の通り、アロマオイルとして一般的なのは、「イングリッシュラベンダー(アングスティフォリア系)」と呼ばれる系統です。古くから愛されているラベンダーの代名詞ともいえる系統で、アロマオイルのほかにも、香水やハーブティー、クラフト、浴用、ポプリなどに広く活用されています。お花の見た目としては、細く伸びる華奢な茎の先に粒々を固めたような花穂を付けるのが特徴です。

イングリッシュラベンダー

一方、フレンチラベンダーは、ウサギの耳やプロペラに例えられる花穂が特徴のかわいらしいラベンダーです。見た目がユニークなので、ドライフラワーなどのインテリアとしてポピュラーです。ただ、香りは他の品種より弱いためアロマオイルとしては一般的ではありません。

フレンチラベンダー

フレンチラベンダーは、ラベンダーストエカス(Lavandula stoechas)とも呼ばれます。このストエカス系には、イングリッシュラベンダー(アングスティフォリア系)にはほとんど含まれない「ケトン類」という成分が含まれています。ケトン類は代謝の負担になったり体内に大量に蓄積すると有害となったりする成分です。

このことから、「安全性が高い」のはイングリッシュラベンダー(アングスティフォリア系)やその精油の特徴であり、全てのラベンダーに言えることではないわけです。

そもそもフレンチラベンダーはアロマオイルの原材料として用いられることはありませんので、アロマオイルを選ぶ際に過度に品種に注意することはないと思います。ただ、もしもお部屋に飾っているドライフラワーにうさぎの耳のような花びらがついていた場合、それは「フレンチラベンダー」という系統で、いわゆる「安全なラベンダー」とは違うのだな、と知っておくと安心です。

イングリッシュラベンダー
フレンチラベンダー
  • シソ科
  • アングスティフォリア系
  • 細い茎の先に粒々を固めたような花
  • 香りが強くアロマオイルの原材料やポプリなどに使われる
  • 安全性がとても高い
  • 犬と一緒に使える
  • シソ科
  • ストエカス系
  • 先端がウサギの耳のような花
  • 見た目が可愛いのでドライフラワーなどに使われる
  • 蓄積すると毒性を持つケトン類を含む

私は「フランス派♪」なーんて単純には選べない成分の違いがあります!

ラベンダー・アングスティフォリアは犬との暮らしのこんなシーンにおすすめ

イングリッシュラベンダー(アングスティフォリア系)は、アニマルアロマセラピーで活用するいろいろなオイルの中でも、最も利用価値のある精油の一つです。

まず、よく知られているリラックス効果を活用して、興奮しすぎたりお留守番が苦手だったりする子の気持ちのサポートに活用することができます。ルームフレグランスやアロマディフューザーなどを使って香りを楽しんだり、マッサージやブラッシングスプレーとして活用すれば、心拍数や呼吸が落ち着き、その子の不安やストレスを和らげてくれる効果を期待できます。

マッサージやブラッシングスプレーとして使う場合は、皮膚トラブルのケアとして、炎症や痒みを和らげたり、皮脂の分泌バランスを整えたりする役割もプラスされます。

ラベンダーは、乾燥肌の子にも脂性肌の子にも使えるのが特徴です。

また、ラベンダーの成分のひとつであるリナロールは、害虫が嫌いな香り成分としても知られています。香りのよい安全な虫除けスプレーとしての活用するのもおすすめです。

まとめ

「万能精油」として名高いラベンダーは、ラベンダー・アングスティフォリアという系統のラベンダーから抽出されたオイルで、イングリッシュラベンダーとも呼ばれています。

イングリッシュラベンダーの華やかさと落ち着きを兼ね備えた香りは、人間はもちろん、犬たちも好む子が多い香りです。

ラベンダーをはじめ、植物には、ローマン・ジャーマン・イングリッシュ・フレンチなど国の名前を冠した品種が多くあります。その植物によって、国の名前は違えど同じような成分をもつものもあれば、全く異なる見た目や成分を持っているものもあり、ラベンダーは「国の名前によって見た目と成分が異なる植物」の仲間です。

フレンチラベンダーは、見た目が可愛らしくラベンダーの中では暑さに強く丈夫なため、植物好きならお庭で育てていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、この可愛いラベンダーは、イングリッシュラベンダーとは異なる成分を持っていますので、お茶やオイルではなく観賞用として存分に楽しむ品種として覚えておくとよいと思います。

ワークショップのアロマケアグッズ作りではイングリッシュラベンダーの精油がほとんど必ず登場します!

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