ぽかぽかとした季節が到来する楽しい季節に、活発になる厄介者たちがいます。それは、蚊やノミ・ダニのような吸血昆虫たち。このような虫たちは、気温や室温がおそよ15度以上になると繁殖を始め、活発に動き始めると言われています。

もちろん、伝染病の予防には駆虫薬などを使って確実に対応することが重要です。そのうえで、害虫をなるべく犬や人の身体に寄せ付けないように工夫しておけばなおさら安心です。

今回は、厄介者の虫たちが嫌がるアロマオイルの代表格であるレモングラスについて紹介します。

この記事はこんなことが気になる人におすすめ
・レモングラスってどんなアロマオイル?
・レモングラスとレモンって違うものなの?
・犬にレモングラスのアロマを使うときの注意点は?
・レモングラスは犬との暮らしのどんなシーンで活用するのがおすすめ?

目次

レモングラスってどんなアロマオイル?

レモングラスは、インド原産のイネ科の植物です。インド伝統医学のアーユルヴェーダではレモングラスのアロマオイルが、解熱剤や感染症のケアとして、さらには腫瘍の進行を食い止めるためにも使用されていたそうです。

ハーブとしてのレモングラスは、エスニック料理に欠かせない食材として、魚介類や肉の風味づけや臭み消し、カレー料理に使用されるほか、ハーブティーとしても楽しまれています。

レモングラス

レモングラスには、蚊や虫が嫌がる香り成分「シトラール」が多く含まれています。このシトラールには、蚊、ハエ、ダニ、ノミなどに対する忌避作用があり、特に蚊よけの効果が強いことから、古くから蚊帳に編み込まれるなど、活用されてきました。

レモングラスは、その名の通り、レモンに似た爽やかに香りにやや草や土の香りを含んでいます。この爽やかなレモンの香りは、精神疲労を和らげ、脳を活性化して、集中力や記憶力を高める働き持つと言われています。スッキリとリフレッシュして、やる気を出したいシーンにおすすめのアロマオイルです。

・インド原産のイネ科の植物
・レモンに似た爽やかな香りは気分のリフレッシュと脳の活性化に役立つ
・シトラールという成分に防虫効果がある

レモングラスとレモンって違うもの?

レモングラスとレモンの精油には、共通の主要成分として「シトラール」が含まれています。そのため同じような爽やかな香りを持つアロマとして活用されています。

しかし、ふたつの植物は全く違うもので、レモングラスはイネ科の植物、レモンはミカン科の植物です。また、精油の抽出方法も異なります。レモンは皮から油を絞る圧搾法、レモングラスは水蒸気蒸留法で抽出します。

共通の主要成分はシトラールですが、そのほかの成分は異なるものがあります。

注意ポイントとして、一般的なレモンのアロマオイルには光毒性を持つフクロマリンなどの成分が含まれています。光毒性とは、アロマオイルに含まれるごく一部の成分が日光にあたることで紫外線に反応し、シミや炎症などの皮膚トラブルが起こることです。このような特性があるため、光毒性のある精油は化粧品などの肌に直接触れるようなケア用品には不向きと言えます。

一方、この光毒性をもつ成分は、レモングラスには含まれません。レモングラスには光毒性がなく、収れん作用や防虫作用や抗菌作用があることから、化粧品や虫除け製品にも使うことができます。

レモングラス
レモン
  • 主要成分 シトラール
  • イネ科
  • 水蒸気蒸留法でオイル抽出
  • 光毒性はない
  • 虫除けやコスメに使える
  • 主要成分 シトラール
  • ミカン科
  • 通常、圧搾法でオイル抽出
  • 光毒性がある
  • 圧搾法で抽出したオイルは、虫除けやコスメに不向き

最近は、光毒性のない水蒸気蒸留法で抽出されたレモン精油も市販されているようです。レモン精油を使いたい場合は、抽出方法をチェックしてみるといいかもしれません。

レモングラスを虫除けとして活用するときの注意ポイント

上述のとおり、レモングラスには光毒性がないため、レモンのように皮膚への付着や日光の影響を考える必要はありません。

注意ポイントとして、犬たちにとってはわりと刺激的な香りの部類であることを念頭に置いて使いたいところです。また、光毒性がないとはいえ、皮膚に直接かかると刺激が強すぎることがあります。

虫除けスプレーなどで活用する場合は、犬たちの顔周りには直接スプレーせずに体を中心に吹きかけてあげてください。また、スプレーが被毛だけでなく皮膚に直接かかってしまいそうな部分も避けておきましょう。顔周りやお腹周りに虫がくるのが気になるときは、いったん手にスプレーしてぬってあげるなど工夫してみると良いと思います。

とはいえ、レモングラスをはじめとしたアロマオイルの虫除けは、香りの成分で虫を近づきにくくする作用です。香りが飛んでしまうと虫除けの効果も弱まりますので、外出先などではこまめにスプレーしてあげることも大事です。

また、レモングラスには、気分をスッキリさせ脳を活性化する働きがありますので、就寝時や休憩したいときには避けておく方がゆっくり休めそうです。

虫除けスプレーは犬に直接ふきかけるのではなく、ふわっと上にスプレーしておいて、落ちてきた香りを犬にくぐらせるのもおすすめです。

・虫除けスプレーとして活用するときは、顔周りに直接かからないように注意。
・香りがなくなると虫除け効果も弱まる。外出が長い時はこまめにスプレーしてあげると良い。
・気分をシャキッとさせるので、眠ってほしいときは別のアロマを。

まとめ

アロマセラピーで活用するエッセンシャルオイル(精油)は、植物の花や葉・果皮・種・木部などから抽出された芳香成分の集合体です。植物たちがエッセンシャルオイルを作る理由のひとつに、自分たちを食べる害虫から身を守る目的があると言われています。

アロマオイルを活用した虫除けは、植物が自分たちの身を守るために作った香り成分をちょっと拝借して、害虫をなるべく犬や人の身体に寄せ付けないように工夫する方法です。

レモングラスはその代表格で、昆虫忌避作用があるシトラールが70%以上含まれるため、蚊やノミ対策にも使われる精油として活用されています。

また、レモングラス以外に、同じように虫が嫌がる香り成分をもつ植物として、ニームやユーカリ、ヒバ、クロモジ、ゼラニウムなどがあります。このようなアロマを活用して、犬も人も気分があがり、なおかつ虫除けにもなれば、アウトドアシーズンのレジャーやお散歩がより楽しく快適になりそうですね。

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レモングラス

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